Psyche
KANAKO NAKATSU中津 佳奈子
[ Pierced earrings ]
[ Pure Silver, Silver925, Mokumegane, Brass, cz, Amethyst, Ammonite, Enamel, Moonstone, Granatus ]
大学時代に蝶を標本にする際に感じた”生命の鼓動”。その記憶を元に「命を奪い美を残す方法」である標本をイメージし、空想の絶滅した蝶を表現しました。このジュエリーには人間の手が加わることで生まれる残酷さと美の永遠性という二面性が宿り、単なる装飾品ではなく「人間の業」という意味合いも秘められています。
古代からある砂型鋳造の方法で蝶の原型の型を取り、鋳造を行いました。蝶の翅が薄いため全体にシルバーの地金が全体に綺麗に流すのには難しい構造だったため、何度も湯道（金属の通り道）の位置などに工夫が必要で、失敗の連続の中作り上げることができました。
七宝を用いて色彩豊かな蝶を表現。翅にテクスチャーを施し、宝石をちりばめて蝶に輝きをプラスしました。
とても細かく複雑なデザインの蝶を、自分が思い描いた通りに再現するため、CADソフト（ライノセラス）を用いて原型制作を行いました。
アンモナイトやスライスされたアメジストのユニークな形の宝石の石枠はワイヤーワックスで制作を行いました。
蝶たちはそれぞれ、時が止まった標本されたようにピンで留められ、コレクションのように眺めることができます。また、止まったままだけではなく、歩く標本箱のように人間の耳元でピアスとして生き続けるようにしました。