
AD ASTRA /PER ASPERA/
HITOSHI UTSUHARA宇津原 仁
[ Watch ]
[ Brass, Stainless steel ]
時計機能の1つの考え方として天体運動の表現があります。今までにもいろいろな天文時計が発表されていますが、昨年より自分もその天文時計製作の挑戦を始めました。作品のタイトルは、去年の卒業制作 AD ASTRA「星々へ」に PER ASPERA「困難を超えて」を加えたもので、ラテン語の格言をもとにしています。

去年は時、分、24H(太陽運行)、月運行、恒星時の5種類の表示でしたが、今年はそれらに加え竜針(日食月食を占う針)と各表示の早合わせ機能を追加する予定です。

去年はほとんどの部品を旋盤等で製作しましたが、今年はCNC(Computer Numerical Controlの略で、コンピュータにより工作機械を数値制御する技術です)フライス盤を積極的に活用しています.写真はCNCフライス盤を利用して縦位置での巻真用の孔をあけているところです.

歯車は歯切り旋盤で作成していますが、特殊形状のものはCNCと併用して製作しています。歯車1つ製作するのに1日かかる場合もあります.

表示用パーツの製作途中。左が文字盤、右は恒星時を表示する針です。文字盤は金属板の必要な部分を掘り下げ、日本らしく漆が含有された塗料を使用しています。

完成予想図になります(恒星時以外の針は省略)。ケースは去年もお願いした太田区にある松浦製作所さんに製作していただいています。