
CERES
RYOSUKE SATO佐藤 亮祐
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[ Stainless steel, brass, silver ]
CERES(ケレス)は1801年に初めて発見された小惑星です。「初めて」から縁を感じ、今回初号機の名前として命名しました。手に取って下さった方に「いいなぁ」と純粋に思って頂ける事。最低限の要素でも人の心を動かす豊かな物は出来上がるという事。「時計としての完成度とは何か」が私にとって絶対条件なのです。

4月にCADを覚える事からスタートしました。この写真は地板の設計をしているところです。その後のCNCによる加工を考慮して出来るだけシンプルにする事を意識して設計しました。

CNCで削り終えた地板にペルラージュ仕上げをしたところです。場所によって何回もゴム砥石を交換し注意深く作業を進めました。

ブリッジの面取り仕上げです。写真の輪列受けは出角と入り角の多い最も複雑な形状の為、何日もかけてゆっくり丁寧に仕上げました。

ムーブメントが完成しました。全体のバランスに気をつけて設計しました。細部の仕上げの美しさにもこだわっています。初めてのCADで地板やブリッジ等の部品を設計出来た事、そしてそれが正常に機能した事は大きな自信となりました。

文字盤と針は時計の顔となるので細心の注意を払いました。文字盤はシルバーの板に8時間かけて彫金をしています。針も独自性を持ちつつ仕上げの美しいものにする為にヤスリでひたすら成形しました。