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ミキモト真珠島で得た“本物の学び”──ジュエリーコース1年生 学外研修レポート

12月1日(月)、大阪校ジュエリーコース1年生が学外美術研修として、三重県・ミキモト真珠島を訪れました。
大阪・北堀江から約2.5時間。静かな英虞湾(あごわん)に浮かぶ約7,000坪の島へ上陸し、真珠の原点を体験することができました。
Instagramリール動画はこちら→⭐︎⭐︎⭐︎

昭和45年に完成したミキモト真珠島のパールブリッジ
御木本幸吉翁 (1858ー1954) 93歳時の姿のもので、貞明皇后(大正天皇の皇后)から下賜された杖を持ち皇居の方を向いて立っています。
学生たちは、スタッフの方が説明するミキモト真珠島の解説に、真剣な表情で耳を傾けていました。
御木本幸吉の生家であるうどん屋「阿波幸」の店名をそのまま受け継いだレストランで、海を眺めながら、あこや貝をふんだんに使った美味しいランチをいただきました。

〜真珠の仕組みを五感で理解する《真珠博物館》〜
最初に訪れた《真珠博物館》では、核入れや養殖管理、真珠が育つ環境などを、模型や実物資料を通して学びました。
宝石学の授業や教室で得た知識が“立体的な理解”へと変わり、
「真珠がここまで丁寧に育てられていたとは知らなかった」
という声が多く上がりました。

真珠の核
ジュエリーとして使用される真珠は全体のごく僅かだということがわかる図
1937年のパリ万博に出品された多機能ジュエリー「矢車」。授業中スライドで見たものを実際に見ることができて感動する学生たち。※帯留め、ブローチ、リングなど12通りに組み替えられる逸品です。
昭和54年9月に制作された 「ミキモト パール クラウンⅡ世」。

海女さんの潜水実演に感動──命を預かる仕事
海女さんによる潜水実演では、静けさの中で響く「磯笛」(いそぶえ)、素潜りで海へ入っていく姿に学生全員が息を呑みました。(磯笛・・・海女の独特の呼吸法であり、海と陸をつなぐ音として「日本の音風景100選」にもなっているとか。)
そこから感じたのは、美しさの裏側にある自然との共生と、人の技の尊さ。

海女さんが着ている白い服は磯着、
白は膨張色なので、サメ除けになるそう。

〜背景を語れるジュエリーづくり〜
研修後、学生たちの多くが、
「素材や歴史に誠実であることがジュエリーづくりの基本」
だと強く感じたと感じたようです。
真珠が育つ時間、養殖者の努力、支える技術――
そのすべてを知ったことで、ただ美しい形を追求するだけでなく、背景を伝えられる作品づくりへの意識が高まったようです。

知識以上の経験を得た今回の学外美術研修では、今後の制作や学びの指針となっていくことでしょう。

kitayama