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TOKYO WATCH WEEK
2025年10月に日本で初めて開催されたTokyo watch weekとは、日本における時計の祭典で、18の時計ブランドおよび関係団体が参加し、東京・青山を舞台に時計文化と技術の粋を紹介しました。メイン会場の青山グランドホールの他、曲川のプライベートサーキット、そしてヒコ・みづのジュエリーカレッジで開催しました。 私たちもイベントの一環を担い、卒業生作品の展示や体験型企画、在校生による受け仕上げコンテストなどを実施し、多くの来場者との交流を図ることができました。

卒業生の時計作品展示
メイン会場である「青山グランドホール」では、当校を卒業した時計技術者たちが在学期間中に製作した時計を展示しました。それぞれの時計には、デザインや機構に込められた個性とこだわりが詰まっており、多くの来場者が熱心に作品を鑑賞していました。制作者自身による説明も行われ、製作背景や技術の工夫などが来場者に直接伝わる、貴重な交流の場となりました。

時計の分解組立体験
特別イベントとして「時計組立セッション」を本校で開催しました。来校者には、機械式時計のムーブメントの分解・組み立て体験をご提供しました。繊細な部品と工具を扱う中で、時計内部の精密さとその組立技術の高さに驚きの声が上がっていました。体験者からは「普段使っている時計が、こんなにも細かい作業の連続でくみあげられているのか!」との感想が寄せられました。


部品への模様付け体験
時計部品に手作業で模様を施す体験も行いました。ヘアライン仕上げ(直線模様)やペルラージュ仕上げ(重なった真珠模様)など、伝統的な装飾技法の一端を体験していただきました。自分の手で模様を刻むことの難しさと同時に、その奥深さと楽しさを感じていただけた様子でした。


「時計の受け仕上げ」コンテスト表彰
3年生が課題で行った「時計の受け仕上げ」のコンテストも本校で同時開催されました。学生たちは、それぞれの技術と感性を活かし、ムーブメント内部の重要部品である“受け”の仕上げ加工に挑戦。作品は体験イベント期間中に教室内で展示され、体験セッション参加者による人気投票が行われました。



その中で見事投票第1位に輝いたのは、オーストラリアからの留学生による作品「とにかく作れ」で、青山グランドホールにて表彰していただきました。


この作品は、今回のコンテスト参加者の中で唯一、板材から受け部品を一から製作したものです。既製のパーツを使用せず、自ら素材を切削・加工し、長時間にわたって非常に高い難易度の作業に取り組みました。その完成度の高さと、果敢に挑戦する姿勢が多くの来場者の心をつかみ、称賛を集めました。
繊細な手仕上げによる美しい表面処理と精密な加工精度は、まさに時計技術者としての将来性を感じさせる作品であり、「ものづくり」に対する真摯な想いが表現された力作でした。
Kametani