INSTJEWELRY- ADJ- JC- OSAKASHOE & BAGBICYCLE

ADJ

Advanced Jewelry Course

春を詠う

HINATA SAKAMOTO

[ Brooch, Obidome ]

[ Silver, Copper, German silver, Gold leaf, Gold plating, Pink topaz, Moonstone, Mother of pearl shell, Fresh water pearl shell, Enamel ]

千年詠い継がれ、今もなお歌人達の雅な表現を感じられる和歌。そして日本人が昔から愛してやまない桜。「開花」「満開」「散る」という桜の美しくも儚い和歌を古今和歌集から選びました。美しい日本語の羅列から意味を知ることで見えてくる、今も昔も変わることのない感性。時代を越えた美しさを繊細かつ華やかに彩り表現しています。

「ことしより 春しりそむる さくら花
散るといふことは ならはざらなむ」 紀貫之
訳:春を知り始めたかのように今年から花を咲かせ始めた桜の花よ。どうか散るということは習わないでください。
今年初めて咲いた桜を擬人化し詠んだ一首。枝の質感や少し寒さを感じる桜、冬から春の移り変わりを七宝で表現。

「春霞 たなびく山の さくら花
見れども飽かぬ 君にもあるかな」 紀友則
訳:春霞がたなびいている山の桜はいくら見ても飽きることがないように、いくら逢っても飽きることはないのですよ、あなたには。
桜と想い人を重ね、何度逢ってもまた逢いたいと詠った一首。満開な桜に黒く燻した霞模様で華やかさを際立たせています。

「ひさかたの 光のどけき 春の日に
しずこころなく 花の散るらむ」 紀友則
訳:こんなに日の光がのどかな春の日に、なぜ桜の花は落ち着いた心もなく散っているのだろうか。
美しく散る桜を見て落ち着かないのは桜なのかはたまた自分の心なのかと詠んだ一首。光を感じる桜や輪、春から夏への移り変わり、歌の暖かさを表現。

それぞれの歌を表す動物を添えています。
鶯・・・春告鳥と呼ばれる鶯。美しい鳴き声で春の訪れを告げます。
猫・・・平安時代も愛されお花見も共にしていた猫。歌に当てはめることで新しい共感や解釈を。
雀・・・桜の花ごとポトリと落とす雀達。この情景の中の微笑ましい密かな犯人かもしれません。

一枚一枚カービングした花びら、自分で書いたかな文字などこだわりが詰まっています。

Back