Lock
RIKUTO KOTERA小寺 理久音
[ Neclace ]
[ Copper, Brass ]
この緑青のマットな質感を纏った銅のネックレスは、縛られる首輪をイメージしたジュエリーです。緑色を愛し、緑色に囚われた、つまり「Lock」された私の人生を象徴し、私自身の緑への深い愛を反映しています。緑青の美しい発色を引き出すために素材研究を重ね、自然が生み出す独特な緑色の質感と魅力を最大限に活かしています。
銅やSilver925、銀ロウ等に水100mlに対して塩化アンモニウム、ミョウバン、みりんの濃度をそれぞれ変えた水溶液を使って濃度によって異なる緑青の生じ方や、色の濃淡を実験しました。
デザイン兼地金の寸法取りについて、CADソフト（ライノセラス）で作成しました。首輪全体デザインとボルトのデザインは緑青の青緑色からエメラルドカットがモチーフです。
銅の切り出し、穴あけ後に緑青を発生させています。緑青をしっかり発生させるのに片面約3日から1週間以上かけて発生させています。銅表面の状態や、湿度、天気によっても発生速度や緑青の色味に影響を与えるのが緑青の奥が深い所で、難しい所でした。
緑青を発生させている間は1週間以上組み立てたり、細かな調整をする事が難しくなるので、緑青を発生させる前に、穴の位置関係や、一度組み立ててみて動作や、着用感等に全体のバランスを何度も確認しました。
"緑青を施す前の状態。
銅板一枚ではなく、二枚から六枚の銅板とスペーサーで重ねる事で、作品自体の厚みを出すのと同時に、緑青の見える面積をより広く見せれるデザインに仕上がりました。"