INSTJEWELRY- ADJ- JC- OSAKASHOE & BAGBICYCLE

JC

Jewelry Creator Course

desire

SAYAKA MURAE

[ Earrings, Ring ]

[ Silver, Garnet, Alexandrite, Amethyst, Resin, Gold plating ]

悪魔との契約で人間が手に入れたのはどんな願いも叶うジュエリー。しかし願いを叶える代償として彼等は最後命を落とすことになる。苦しみ踠きながら、それでも悪魔に願うことをやめられなかった欲深き人間達。その愚かな苦悩と後悔…深い絶望が感じられる自作の物語の世界を繰り広げ、制作した。

『オマエの願いはなんだ?』俺達の前に姿を見せた悪魔はそう言った。どんな願いも叶える代わりに、魂を取引する契約を結ぼうと。その言葉の意味も、契約した果ての結末も考えずに…願いの為、愚かな自分達は奴と契約を結んでしまった。それが終わりの始まりとも知らずに。

契約の証だと俺達がもらったのはシンプルな飾りっ気のないジュエリー。身につけると、小さな針がチクリと刺さった様な鈍い痛みが走ったが、この時の自分達は契約のジュエリーを見て、己の明るい未来を想像し愚かにも笑っていた。

富、地位、名声。どんな難しいことも、ただジュエリーに願うだけで現実となり俺達は気を良くした。自分達は他とは違う特別な存在だと。無駄な努力に時間をかける必要などない。だって願うだけでいいのだから!契約した悪魔の力を自分の力だと誤認していた。

全能感に酔っていた俺達ははじめてジュエリーを身につけた時感じたあの痛みがまた起こり…その痛みが日に日に増していく感覚にすらすぐには気付けなかった。気付いた時には手遅れで。俺達が痛みで倒れた時。契約のジュエリーには美しい花が咲いていた。

悪魔が再び姿を現した。『願いには代償が必要だ』と悪魔は怪しく笑う。この痛みを今すぐ消してくれと願った俺達は最後、ジュエリーの中に魂を移し替えられていた。ジュエリーに咲いた花は俺達の命そのものだったのだ。空の器となったかつての体を一瞥し悪魔が愉快そうに笑った。ほら痛くなくなっただろう?と。

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