
KNOB:INVERT
NOBUHIRO HOTTA堀田 亘宏
[ Road bike ]
[ Steel ]
世の中の自転車は、フロント操舵リア駆動が一般的です。では、その逆であるフロント駆動リア操舵の自転車は何故ないのか?と、私は疑問を持ちました。機構が逆になることでどのような乗り味になるのか?通常とは違う魅力や利点があるのではないか?それらを確かめたいと思い、フロント駆動リア操舵の自転車を制作しました。

私自身の卒業制作の流れを短く動画にまとめました。是非ご覧ください。

先ずは試作を作るところから始めました。ジオメトリーは、一般的なロードバイクとあまり変わらない寸法をイメージし、従来のフレームの形状を利用したものを意識しました。操舵の方法はロッド棒を接続して、ハンドルの動きをリアに伝え操舵をする機構にしました。

実際に出来上がった試作品に乗ってみましたが、ロッドの可動部分の出代が短かったり、リアフォークのロッドを接続する位置がずれたことにより、曲がるのに必要な所まで操舵ができませんでした。ちなみに、私の場合、ここまでで2ヶ月かかりました。(後輩の方々はご参考までに。)

本番用ジオメトリーはスローピングフレームの様なデザインに変更しました。完成後、試乗をしましたが操舵がきれすぎてしまい、常に不安定な状態でした。(※動画参照)やはり、操舵がリアにくることで全く違う乗り物になってしまい、乗りこなすには練習が必要であること、また、フロント操舵がどれ程効率の良いものかが分かりました。

ドア(扉)という単語は新しい世界への入り口という表現で使われる印象があります。しかし、ドア(扉)はあってもノブがなければ開けることができない。新し世界を開くための手助けをと思いを込めてブランド名を「KNOB」と名付けました。モデル名「INVERT」は英語で反転させる、反対にする、という意味を持ちます。