"Re"
NANAKO HADA羽田 奈々子
[ Brooch ]
[ Silver, Glass, Enamel ]
私たちの価値観は流行やパラダイムシフトなどにより次々と変わっていく。霜の様な柄が映える結霜硝子は、表面に塗った膠が乾く際に硝子が割れてできた模様が特徴的な昭和初期頃までに生産されたレトログラスだ。reには多くの意味が含まれている。いままでもこれから先も、自分に見合ったカタチに作り直して共に歩んでいけるように。
量産が可能な型板硝子は溶けた硝子に模様を転写して製造するのに対し、結霜硝子は職人が手作業で動物の皮から取れる膠を表面に塗布してできる、特徴的な柄のある手づくり硝子です。
ブローチの硝子の下層には植物モチーフの唐草模様に七宝で着色した板をはめ込んであります。唐草のモチーフは在学中に得ることができた自分にとって好きな作風スタイルのひとつです。
モチーフに選択したいくつかの植物には変わった由縁のあるものを採用しました。わたしたちが数多の面をあわせ持つように、身近な植物やものにも調べてみると不思議に感じる新たな側面を見つけるかもしれないし、大きな意味を持つことになるかもしれません。
recollection, recut, remake, 私たちの価値観は生きていくなかで日々移り変わっていきます。専門学校で学んだことも、過去にステンドグラスで得たものもすべてを抱えて、そのときどきでカタチを変えて共に歩んでいけるように願い制作しました。