News

  • Shoes
  • Bag

SBコース1,2年合同福岡研修旅行「北九州の歴史と文化に触れる旅」

シュー & バッグメーカーコース 1、2年生合同(20 名)が1泊2日で北九州の伝統文化・工芸、産業に触れる旅へ行って来ました。


1 日目 博多区の見所探訪
福岡市は、九州の行政・経済・交通の中心地で日本海に隣接しており韓国まで飛行機で 1 時間。フェリーでの行き来も可能で古来よりアジアとの交流が盛んな歴史ある都市の一つです。
最初に訪れたのは 国の重要文化財にも指定されている由緒正しき太宰府天満宮です。学問の神様である菅原道真公を祀る歴史ある神社で全国から崇敬されている名所です。

大宰府天満宮では、本殿改築にともない期間限定(2026 年5 月上旬まで)で藤本壮介氏(大阪万博大屋根リングを設計)の仮殿を参拝する事ができました。屋根には多くの樹木が植えられ、まるで小さな森のようでした。賽銭箱も見たことのない曲線美を纏った美しいフォルムで見とれてしまいました。


続いて、太宰府天満宮からほど近くにある九州国立博物館を見学しました。日本文化の形成をアジア史的視点からとらえるというコンセプトの当館では、縄文時代から近世までの歴史がアジアとの繋がりを中心に展示されており、改めて日本の文化が大陸との活発な交流により形作られてきたことを実感できた素晴らしい展示でした。外観も大きな曲線を描いたガラス張りで周囲の風景に溶け込ん
だ美しいデザインでした。

2日目 福岡県久留米市
久留米市は多くのものづくり企業が集まる福岡第3の都市で、有名なブリヂストンやアサヒシューズなどがあります。
今回の研修旅行のメインイベントはその中の [ 株式会社ムーンスター ] の工場見学です。
https://www.moonstar.co.jp
国内最大級のスニーカー生産工場で今年創業152 周年を迎える老舗シューズメーカーです。
「設備、機械、店舗の展示什器、そしてネジ一本も自社で制作し、全てを社内で完結できる様にしている。」とお聞きし、ものづくりへの強いこだわりを感じました。多数くの国産ブランドを扱っているため、個人の撮影はNG とのことでしたので一部をご紹介します。ご担当の方よりムーンスターのこれまでの歩みと未来、見学に際しての注意事項の説明の後、製造部を見学しました。まずは、ゴム材づくりの工程について解説いただきました。

原料に薬品を混ぜて、耐久性やグリップ力などを調整後練って伸ばして意匠をつけて裁断すると見慣れたアウトソールになります。ちなみに、型抜きした端材も材料として再利用されるそうです。

続いて、砂型を使ったアルミ製木型の鋳造デモンストレーションを見学しました。熱に耐えられるようにアルミを使用し、それを自社で製造されていることに驚きました。

[ 加硫製法 ] コンバースのシューズに代表される靴の製法
靴本体に底を貼り付け、大きな圧力釡( 加硫缶) にて、熱と圧力を加えることで、ゴムの中に練られた硫黄成分が反応しゴムが硬化して靴が完成します。

工場内の作業は、想像以上に手作業が多く機械生産というより、大規模手づくり工場といった様子でした。現場に行かないと体感できないニオイや音、感触に触れられた貴重な経験となりました。

続いて [ 櫛田神社 ] を参拝しました。
櫛田神社は、博多祇園山笠( 国の重要無形民俗文化財) 疫病を封じ込めるために始まったとされる神事の奉納される神社です。イケメンな狛犬や観賞用巨大山笠、神社の荘厳さは一見の価値がありました。

博多町家ふるさと館

明治・大正を中心とした、博多の人々の古き良き暮らしと文化を学ぶために訪れました。昔の道具や衣服に興味津々の様子でした。

予定されていた訪問先を全て巡り、その後は自由に博多の街を散策し、株式会社MOONSTAR の直営店[ALSO MOONSTAR] で靴を購入したり、地元グルメを堪能したりとそれぞれに満喫したようです。

ALSO MOONSTAR は素敵な商品はもちろん、展示や空間にまで拘り抜いたショップで一度は訪れたい場所です。昔ながらの上履きもカラーやプロモーション次第で、魅力的なファッションアイテムへと昇華させられる素晴らしい実例です。

1 泊2 日と短い行程でしたが、クラスメートと寝食をともにし、中身の濃い福岡研修となりました。関わってくださった皆様誠にありがとうございました。
学びの成果は今後の制作活動に必ず生かされることと思います。
nagao