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ジュエリークリエーターコース ハイジュエリー選択3年課題展示「7つの指輪の物語」

本校ギャラリーHOLE IN THE WALLにてジュエリークリエーターコースハイジュエリー選択3年生7名による課題展示「7つの指輪の物語」展を開催しました。
この課題は、特別講師としてアーティストのJOJI KOJIMA氏(以下小島講師)をお招きし4月のデザイン授業から始まりました。

小島講師が考案した課題内容は以下の通りです。
①リングの持ち主の人物像をイメージしてみましょう。どんなものを好み、どんな生き方をしている?
 実在の人物、映画や小説や漫画の登場人物、あなたの空想上の人物、もしくは人ですらないかもしれません。
②そのリングは、いつ・どんな場所で輝きを放つでしょう?
 必ずしも、華やかなパーティーや豪華なディナーの場とは限りません。自由です。なにしろ空想で良いのですから。
③リングにまつわる短い物語を書いてみましょう。リングの”説明文”ではありません。作品を見た人が、よりあなたの世界を楽しめる素敵なものだと良いですね。詩のような形式でも、短編小説のような形式でも、自由です。500字以内程度。とても短くても構いません。


デザイン・アイデア考案
学生たちの空想の世界が繰り広げられ、小島講師と学生との対話で物語のイメージが徐々に膨らみ始め、デザインが出来上がっていきました。

デザインプレゼンテーション
一人一人デザイン・コンセプト・ストーリーを発表していきます。小島講師からは学生の個性を活かしながら良い方向に伸ばすアドバイスや、作品を作る上での大切なポイントをご説明いただきました。

制作と講評会の様子
制作授業では、デザインイメージをどのように立体にするか?試作を重ね、小島講師によるチェック、アドバイスをいただき進めました。今回の課題は小粒の宝石を敷き詰めるパヴェセッティング技法を入れることが条件です。パヴェセッティング技法を効果的に見せつつ、物語のイメージに合うよう制作していきました。作品が完成した後は、講評会を行いました。

ギャラリーHOLE IN THE WALLにて作品展示
半年以上かけて出来上がった作品を本校併設のギャラリーでお披露目しました。
一人一人の物語の世界観を活かすため、イメージカラーの背景紙を大きく使い空間演出。そのリングにまつわる物語も一緒に展示しました。

ギャラリーでは空間を分けて小島講師の作品も展示。
小島講師も学生たちと同じ条件で指輪制作まで行ってくださいました。

1年生を対象としたギャラリートークでは学生たちが自分の作品を解説していきました。会場に入りきれないほど満員御礼で、1年生には良い刺激となり大盛況で終わりました。

課題展示を終えて
今回の課題は8ヶ月掛けた長いプロジェクトでしたが、物語の構想からデザイン、制作、作品展示までの流れをしっかり学ぶことができました。
アーティストとしてご活躍している小島講師をお招きしディレクションいただくことで、学生たちの刺激となり彼らの魅力を最大限に引き出すことができたと実感しています。
ハイジュエリー選択クラスはとかく技術だけに走りがちな傾向ですが、作品のイメージストーリーを最初に設定することで、作品の持つ魅力を大切にしながら形と技法を上手く組み合わせて完成度の高い作品展示を行うことができました。
そして何より、この課題が学生たちのターニングポイントとなり、オリジナリティーを確立し卒業制作作品につながることができた点が大きな成果となりました。

Hanaoka