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産学協同企画「hello 手しごと PROJECT」展示販売会 Report

阪神梅田本店様株式会社ストーリー様の2つのパートナー企業のご協力のもと実施しておりました大阪校クリエイティブジュエリーコース3年生の産学協同企画「hello 手しごと PROJECT」は、2021年12月1日(水)〜12月7日 (火)に昨年10月にリニューアルオープンした阪神梅田本店2Fにて無事会期を終えることができました。
この度は万全の感染症対策を行い、デザインと制作を行った学生本人も店頭に立ち、お客様に個々の制作におけるストーリーをお伝えするなど、貴重な体験をすることができました。

また、販売での経験やお客様からの反応も加えて、この産学協同プロジェクトにおいてのふり返りでもある、最終プレゼンテーション(2022年1月11日)を行いましたのでその様子も合わせてご報告いたします。

※ショップ内初日の様子は(Instagram / 阪神梅田本店 ギフト雑貨マルシェのIGTVよりご覧いただけます)https://www.instagram.com/tv/CXIDMj8hQmU/?hl=ja

本プロジェクトは、大阪校クリエイティブジュエリーコースの3年生が、伝統技術や伝統工芸の産地へ自らアポイントメントを取り、インタビューすることを発端に、職人の皆様や生産者の方々の想いや新たな可能性を見つけ出し、ターゲットやマーケットをリサーチしたのち、学生達がジュエリーというフィールドを通してカタチにするプロジェクトです。
卒業前に、阪神様での販売会を経験することで、いつもの課題とは違った「責任」を実感しながら制作に臨みました。また、商品を手に取るお客様へは、ジュエリーというアイテムを通して、職人の皆様や生産者の方の想いや背景をお伝えすることもでき、貴重な学びの経験となりました。

昨年(HELLO MINERAL PROJECT)に引き続き、多くのお客様にご購入いただき、このプロジェクトをご理解いただけき、お客様と学生が生み出した商品との「hello」=出逢いの繋がりを実感することができました。
コロナ禍の中、わざわざお立ち寄りいただき、ご購入くださいましたお客様、そして阪神梅田本店様、株式会社ストーリー様、2つのパートナー企業の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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ここからは、2022年1月11日(火)に行われました「hello 手しごと PROJECT」の最終プレゼンテーションの様子をご報告いたします。

プロジェクトの振り出しと、中間アドバイスも含めてご指導いただいている合同会社シーラカンス食堂代表 小林 新也様をお招きし、最終発表会のフィードバックをいただきました。
小林様による総評の後は、個々でこのプロジェクトで学んだこと、感じたこと、モノづくりにおいての問題解決方法など、それぞれの学びを共有する時間も設けました。「お客様から自分の価値観とは異なる言葉をいただけた。」 や、「日本にはこんなに素晴らしいモノづくりが多くあるということを実感した」などという意見が多く見られました。

小林様による総評
制作における悩みにぶつかった時の解決方法なども伺うことができました
授業最終日、講評会後に小林様を中心に囲んでの記念撮影

ご協力くださいました小林新也様、伝統産業の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

kitayama

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以下、本プロジェクトのカプセルコレクションをご紹介いたします。
ご覧ください。

↑協力:井上スダレ株式会社 様(大阪府)
「若い世代の方にすだれを手に取ってもらいたい」この企業様の想いをヒントに、日頃からすだれに馴染みのない方へ向けたナチュラルなデザインのコレクションです。すだれは光が差したときに見られる影がとても美しく、「和風で昔のもの」「暑さをしのぐインテリア」だけではなく、アクセサリーを通して風情のあるすだれ越しの景色を感じてもらいたいという思いで制作しました。
↑協力:浜縮緬工業協同組合 様(滋賀県)
「ういか」とは、繭からでる蚕の「羽化」つぼみから開く「開花」の2つの言葉を掛け合わせた造語です。花開く瞬間をリングとピアスというアイテムで再現したシリーズで、ちりめんの柔らかくしっとりとした質感はそのままに、「ういか」のちりめんを身につけることで日常に優しさと華やかさ、そして彩りを添えます。
↑協力:奥野晴明堂 様(大阪府)
ファッションとリラックスタイムの二つの用途があるジュエリー。
お香、線香が暮らしの一部になる。
↑協力:京からかみ 株式会社 丸二 様(京都府)
唐紙ジュエリー「5」(ファイブ)は万物の根源をなす、元素「金、木、水、火、土」の五つのモチーフから名付けました。古くから伝わる唐紙の図案が植物や花など地球上の自然を多く用いているためです。植物に水や太陽などを与えればこそ、強く生きることができます。透明な水をモチーフにし、唐紙の絵柄を強調し、人生で困難あった時、植物のように水を与えてもらえば元気になる。「5」を身に着けて、ポジティブに人生を楽しんで欲しいという願いを込めています。
↑協力:吉向松⽉窯 様(大阪府)
吉向松月窯様で古くから使われる釉薬の「唐三彩」と呼ばれる⻩⾊・緑・⽩の配色と、陶器の柄から着想を得たデザインのジュエリーコレクション。昔から慣れ親しまれてきた陶器のデザインを現代⾵に置き換え、⽇常に吉向焼が溶け込んで欲しいという想いを込めて制作しました。カラフルなコーディネートでも馴染み、シンプルな装いにも、「ぽ」が映える。
「⽇常に溶け込む、さりげない⾃分らしさ」を演出できるジュエリーです。
↑協力:天満切子株式会社切子工房RAU 様(大阪府)
着けていて楽しく、そして⾃分らしくなれるユニセックスなファッションを好む若い方々へコレクション。天満切子の特徴である鮮やかな青や赤をポイントカラーに、ガラスに彫られた丸い溝から生まれる光の模様をファッションにスパイスに取り入れてみませんか?
↑協力:錦光園 様(奈良県)
わび・さび(侘《び》・寂《び》)は、日本の美意識の1つ。貧困と孤独のなかに心の充足を見い出そうとする意識。閑寂な中に、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさをいう。多くの人たちは忙しい。時には休息が必要で、リラックスし、様々なことをシンプルにしたいと考えるものです。このコレクションのテーマは「逃げ出す」。
複雑な生活から逃れることは、人生をシンプルにするのではないでしょうか。
↑協力:天満切子株式会社切子工房RAU 様(大阪府)
ブランド名の「Picksy」とは、pick+seeの造語です。
全て違う模様を手作業で一つ一つ丁寧に施しています。沢山ある中からじっくり見て「see」、お気に入りを選んで欲しい「pick」という願いを込めました。天満切子の生産上、どうしても出てしまう端材から、楕円や円の柔らかなフォルムを独特に施して、新しい命を吹き込みました。
偶然生まれた、どこにもない不規則なカタチを楽しんでください。
↑協力:浜縮緬工業協同組合 様(滋賀県)
織凜 -orin- は、浜ちりめんという独自の凹凸のある「織物」で生まれる、「凜」とした美しさのあるジュエリーという願いを込めたコレクション。デザインのメインとなる六角形は、縁起の良い形とされており、古き良き日本の伝統技術が永遠に繁栄し続けて欲しいという想いが込められています。浜ちりめんの柔らかく優しい肌ざわりと、ゴールドの輝き。六角形のシャープなフォルムとの相反するコントラストを生かしたモダンジュエリーです。
↑岡本織物株式会社 様(京都府)
「otiito」は、「おちいと」と読みます。西陣織の制作の際にどうしても余り落ちてしまう糸たち。日の目を見ることのなかった落ち糸を活かしてデザインしました。糸なので軽やかで、肌触りが良いのが特徴です。デイリーシーンはもちろんのこと、ハレの日や着物での装いでも、
今までとは違った「日本の美」を感じていただけるコレクションです。
↑協力:大阪錫器株式会社 様(大阪府)
日々の生活に新しいマテリアルを。錫は柔らかく融点が低いため、他金属とは違った表情を見せてくれます。ichigo ichie(イチゴイチエ)のコレクションは、その「溶けた形」と「曲げた形」の二つに焦点を当て、偶然生まれたフォルムやテクスチャーをそのままジュエリーに落とし込んだコレクションです。
↑協力:吉向松⽉窯 様(大阪府)
伝統のある、大阪府交野市の吉向焼を少しでも多くの方に届けたい、という想いからデザインしたコレクション。吉向焼の特徴でやわらかみのあるあたたかなラインを残しつつ、オリジナルの型や手びねりを用いて、手しごとでしか生まれないあたたかさ、やわらかさ、やさしさを感じていただきたいです。色が主張しすぎず、フォルムもシンプルな形状なので幅広いファッションで楽しむことができます。
↑協力:菊水産業株式会社 様(大阪府)
ぬくもりと癒しを身に纏う。日本人にとって心落ち着く素材の一つ、木。それは古くから木造建築に親しみ、木肌のぬくもりに安らぎを覚えていたからこそ癒しを与えてくれます。今また木材を身近にすることで、私たちの日々の生活をより穏やかに彩るジュエリーを提案します。LindeaR.(リンディー)は素材の「クロモジ(Lindera)」と「Dear(なつかしい)」という二つの意味をもつ造語。私たちの日常から少なくなった木材から受けるぬくもりと癒しをジュエリーを通して思い出してもらい、日本の希少な伝統工芸である黒文字爪楊枝を知っていただけると幸いです。
↑協力:井上スダレ株式会社 様(大阪府)
「日本の美を感じ、上品な女性になれるジュエリー」
簾(すだれ)の透け感、そしてそこからかすかに見える向こう側の世界。その魅力を活かし、身に着けた人の服や肌をかすかに見せる、日本らしくエレガントなコレクション
↑協力:深江菅細工保存会 様(大阪府)
菅の柔らかい雰囲気や優しい色合い、軽さを生かし、身近に自然を感じられる様に。日常生活に安らぎを与えるジュエリーの提案です。carex knittingは「菅編み」を英訳したもの。
ジュエリーを通して色んな人達に「菅」の存在を知っていただけると幸いです。
↑協力:昇苑くみひも 様(京都府)
日本の伝統的な組紐に革命を。私たちが無意識の中で、日常のあらゆる場面で使われている組紐。私は、組紐を身近に感じ、私たちの日々の生活の中に「組紐」を意識してしまう新しいジュエリーを提案します。Silbreにはシルバーとブレード(組紐)という二つの言葉が交わった造語です。ジュエリーで最も親しみのあるシルバーを「組紐」というベースに落とし込み、現代的なジュエリーに昇華しました。このジュエリーを通して日本の希少な伝統工芸である組紐を、より知っていただけると幸いです。
↑協力:小野竹工芸 土井 様《土井竹材製作所》(兵庫県)
竹という自然素材の暖かさと、冷たい銀との対比が美しいジュエリー。竹の持つ弾性からくる「硬いけど柔らかい」という印象を、より感じられるようなデザインに仕上げました。シンプルで、どんな時でも身に着けやすい。竹のしなやかな美しさをもっと身近に。
↑協力:みはる窯 様(滋賀県)
窯で焼く際にできる信楽焼の廃材を、金継ぎにより新しいものとして昇華させた
サスティナブルなジュエリーの提案。
↑協力:深江菅細工保存会 様(大阪府)
「自然をより身近に」SUGE grass jewelryは、爽やかでやさしい色合いを持つ「菅」(すげ)を視覚から感じ、また触れることで手ざわりや香りを感じるなど、自然と共におしゃれを楽しむことができます。菅は、撥水性があり軽くて爽やかな色合いが特徴。1本の菅から余すところなく制作したものもあり、根元から先端までの色のコントラストを楽しんでいただけるようデザインされています。また菅細工は、古くから道中の安全を願って菅笠を身につけられてきましたが、ジュエリーというアイテムになったことで、時代に寄り添い、現在のライフスタイルに溶け込むのではないでしょうか。
↑協力:協和染晒工場 様(大阪府)
「いろそむ」は、日本の伝統的な美しさを表現した造語。「いろ」は「色」と「色々な」という二つの意味。「そむ」には「染まる」の古風な表現を用いました。日本の伝統的な和柄を細かな透かしで表現し、柿渋の茶色の奥行き深い色と、シルバーの光沢とのコントラストで魅せるジュエリーです。主材の和紙は非常に軽く、和装以外でもデイリーシーンでもお楽しみ頂けます。
↑協力:大阪錫器株式会社 様(大阪府)
Frei(フレイ)とは、ドイツ語で「自由自在」という意味があります。多くの貴金属の場合は、形を変えることができない「不変性」が特徴的ですが、Freiのジュエリーには、非常に柔らかく手の力で曲げられる「錫」を主材としています。錫の特性を生かし、自分好みに形を変えることができ、圧延機で潰した時についたテクスチャーなど、偶然性を生かしたジュエリーです。
↑協力:吉向松⽉窯 様(大阪府)
‘‘suolo’’はイタリア語で土、土地という意味の言葉です。貴金属とは違う「土」の魅力を楽しんでほしいという思いと、生まれ育った「土地」への思いから今回のコレクションは生まれました。楽焼の素朴さをそのまま生かすため、釉薬は透明と交野市の浄水場の汚泥を再利用した釉薬の二種類を使用しました。土の柔らかさが感じられる丸みや不定形な形状、窯元の代表作である亀の
食籠(じきろう)より、六角形のモチーフをお楽しみください。
↑協力:井上スダレ株式会社 様(大阪府)
日本の伝統的なすだれを日常的に。日本人にとって心落ち着くすだれ。それはすだれに含まれる安らぎ効果によるものです。すだれを身近に感じ、私たちの日々の生活をよりリラックスさせる新しいジュエリーの提案です。CHIKURENの由来はすだれを漢字にすると「簾」で、その「簾」を分解すると「竹」と「廉」になるのでそれぞれの音読みである「ちく」と「れん」を足して名付けました。日常ではあまり目にしないすだれを1980年代のレトロファッションと融合させ、日常で楽しむことができる新たなすだれの魅力を感じて頂けると幸いです。
↑協力:京からかみ 株式会社 丸二 様(京都府)
「boogie Woogie」は19世紀末に活躍したオランダの画家の代表作からインスピレーションを得て生まれたコレクションです。京都の歴史ある唐紙の美しい質感や色を、本来の「紙」としての役割だけではなく、ジュエリーとして身につけてまるで「boogie woogie」を踊り出しくなるような、そんなリズミカルな遊び心を感じで欲しいと思います。。私たちの生活が色彩であるという願いを込め、現代的なジュエリーを通して日本の希少な伝統工芸である唐紙を知っていただけると幸いです。
↑協力:小野竹工芸 土井 様《土井竹材製作所》(兵庫県)
竹という自然素材の暖かさと、冷たい銀との対比が美しいジュエリー。竹の持つ弾性からくる「硬いけど柔らかい」という印象を、より感じられるようなデザインに仕上げました。シンプルで、どんな時でも身に着けやすい。竹のしなやかな美しさをもっと身近に。
↑協力:辻和金網 様(京都府)
amamは「編む」を繰り返し、京金網の銅を編む技法をイメージしたコレクションです。「京金網」とは平安時代から受け継がれてきた京都の伝統産業です。手編みから生まれる暖かさ、長く使える丈夫さ、そして金属線が生み出す美しさをたくさんの人に伝えたい。そんな想いで京金網から学んだ技術、デザインの美しさを現代的な素材と組み合わせて形にしました。
↑協力:奥野晴明堂 様(大阪府)
触覚・視覚・嗅覚を刺激する、都会的でミニマムなジュエリーSuuu。奥野晴明堂様の上品でナチュラルなお線香と合わせて楽しむ新感覚リング。身に着けないオフタイムにはお部屋でリラックスタイムに。アクティブに外出する時は身に着けて「残り香」やそのお香を感じた情景を実感しながらオシャレをお楽しみ頂けます。
↑協力:鳥羽屋 様(京都府)
絃の製造工程において「撚り」は最も重要な工程の一つです。「撚る」ことによって生糸が「絃」になっていきます。しかし、あえて撚られた絃を解体することで絃の力強さ、美しさ、繊細さといった絃のもつ魅力を再発見する事ができました。〜Yori~はその絃の魅力を身近に感じ、私たちの日々の生活にアクセントを与える新しいジュエリーの提案です。今までにない「絃」ジュエリーを通して日本の希少な伝統工芸である「邦楽器絃」を知っていただけると幸いです。